ぼくらがここに住む理由
心変わりは何かのせい?
あんまり乗り気じゃなかったのに、土地を買ってそこにしばらく身を置くことに決めた。
元々僕は、常に身軽でいることが第一と考えていて、「ローンを組んで不動産を買う」みたいな、自分の足枷になり得るものを誰よりも嫌がり、遠ざけてきた。
(その辺りの思いの丈は、昔この記事に書き綴っています)
3.11の震災から大きく生き方の方向転換を図ってきた組のうちの一人であり、仕事も生活も人間関係も、ひとところに縛られることを好まない。
気付けば8年も続けてきたシェアハウス運営を、ずっと賃貸契約でやってきたのもそういう理由からだった。何かあった時、いつでもピボットできるように…と。
(でもその結果、この短期間で2度の立ち退きに遭ってそこそこ大変な思いをするのだけれど・・)
遡ること4年前、1度目の立ち退きの際、
「自分にとって最も理想の土地はどこか?」
ということを突き詰めて考えたことがあった。
シェアハウス運営は続けなくていいし、どこに住んだっていい。
無限に選択肢のある状況に立たされた時、改めて自分達にとっての「理想の暮らし」というものを再定義した。
これまで数十ヵ国の国々を夫婦で旅してきた経験から、海外移住も視野に入れた。
仮に「気温」というレイヤーだけにフォーカスした時、世界には気温差125.6℃もの幅があって、暮らし方のグラデーションにあまりの広がりがあることに目眩がしそうになる。
(世界で最も寒いと言われている場所はロシアのオイミャコンという村で、過去最低記録の気温が-71.2℃。一方、最も暑いと言われている場所は、諸説あるが、アメリカのデスバレーという場所で、過去最高記録の気温が54.4℃。)
「寒いのが苦手なので、住むなら暖かい場所が良い。でも常夏よりは“寒い場所に移動する際の装備品を整えられる”という観点からも、季節の移ろいがある場所の方が良い」
そんな具合で、自分達にとっての理想のエリアをどんどん絞っていった。
旅行好きなので、空港へのアクセスのしやすさも重要なポイントだった。
街の中心から空港までが近く、その中間に居を構えられるのが理想だ。
■空港から市内中心部までの距離
◉世界ランキング
1位 トロント
2位 ボストン3位 ワシントンD.C.、ドバイ 、ジュネーブ、松山(台北)
【参考】世界主要都市・空港から都市中心地までの距離ランキング
◉全国ランキング(直線距離)
1位 福岡(2.4km)
2位 那覇(3.0km)
3位 宮崎(4.6km)
4位 松山(5.8km)
5位 新潟(6.5km)
6位 函館(7.4km)※ソースによって順位に入替りあり
■空港から都市中心部までのアクセスの早さ(世界ランキング)
1位 ボストン
2位 福岡
3位 サンフランシスコ
4位 シンガポール
【参考】空港アクセス時間の短さ(GPCI 2020)(以上、移動研究家[弊妻]調べ)
そしてなんと言っても、食べることが大好きな自分達にとってはその土地の食の好みが合うかどうかは超重要。
ヨーロッパで1ヶ月生活したことがあるけど、味のレパートリーの少なさに辟易したし、ダシや醤油・味噌の味が恋しすぎてホームシックになった。
もちろんそこそこ大きい都市であれば日本食レストランや、和風調味料を扱っているスーパーもあるけど、日本より割高なケースがほとんど。
食べ物の物価が安く、コスパ良く美味しい食事ができるかどうかという点は、僕たちにとってとても大事だった。
その他無視できないものとして、温泉(サウナ)の有無や、近所のコンビニの有無(ポイ活のしやすさ)。
そして何より、生まれくる子どもの育てやすさ・自然の有無というのが比重としては大きかった。
(宮崎市は去年から医療費の助成対象が乳幼児から小中学生までに拡大したことも嬉しい、と妻談)
多角形のチャートを埋めるような気分で、一つ一つの項目を整理していった先に高得点を叩き出した土地が、ここ『南宮崎』のエリア。海外へのアクセスのしやすさから、最後まで福岡と悩んだけど、諸々を考慮して最終的に宮崎に留まることに決めた。
はじめ世界にまで視野を広げたものの、最終的な着地点は前の住まいから500mしか離れていない場所というのはなかなかの皮肉だった。大切なものはいつも身近にあるのに、それに気付けていなかっただけなのかもしれない。
そういった考察の末に納得感を得て辿り着いた土地だから、今の暮らしにはまだまだ飽きる気配はなく、ここにもっと住み続けたいという純粋な気持ちがあった。
そして、今の暮らしを維持するには土地ごと買う必要があり、そこにはおまけで今住んでいる家とは別にもう一軒付いてくる。
子どもが大きくなっていくにつれ手狭になってきたというのもあるけれど、やはり一番は前の記事にも書いた通り、『風の人×土の人×子ども』の構想を実現したいという思いが以前から心の中でくすぶっていたため、これが転機だと思い、土地購入の意思を固めたという流れです。
今回の件を知った友人達からは「思い切ったチャレンジに乗り出すんだね!」みたいなことを度々言われますが、土地は買った時とほぼ同額で売れる見込みなので、当の本人はリスクを負ってるようであまりリスクと感じていない、というのが本音です。
そして周りの方々から一番心配されそうな、「飽きたらすぐに次の場所へ〜」という僕の身勝手な性格も、しばらくは顔を出して来ないだろうと思っています。
それは、息子だけでなく周りの子ども達も含めた子育てと教育の活動にコミットしようという僕自身の覚悟が決まっていることや、僕なんかよりもっと大きなものを背負いながら、人知れず人様や社会の為の活動を淡々と続けられている諸先輩方の姿を身近で見てきて、触発されているから。
構想の細かなところはまだはっきりとは全然描けていませんが、自分達にとってお気に入りのこの土地で、何かしら意味ありそうなことを楽しくやっていくと思います。あまり期待はせず、見守っていて頂けたら・・。
肝心な資金調達の進捗ですが、一週間前にあげた記事を公開してからというもの、身近な方から超意外な方、果ては会ったことも話したこともない方まで、次々に融資のご連絡を頂いており、順調にいけば残り100万円(1名)というところまできました。
今回ご融資を決めて頂いた方々、本当にありがとうございます。
引き続き、フィニッシュをかましてくださる方からのご連絡、お待ちしております。
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